SCATOLOGY スカトロジー

排泄という極限の背徳行為を真正面から描いた本作は、潔癖さを捨てた者だけが踏み込めるスカトロの深淵を記録する。古い撮影ゆえのざらついた映像質感が、かえって生々しい実録感を漂わせ、男女が交わす羞恥と快感の境界線を曖昧にする。照明を抑えた空間に、粘着する音と呼吸が重なり、静かに偏愛の世界が立ち上がる時間だ。

登場する女性たちは、いずれも普通の色香を備えつつも、快楽の方向性だけが常軌を逸している。口コミでも語られた通り、白い肢体と形の整った臀部が印象的で、二人目の女が初々しさを残しながらも大胆に落下させる場面は強烈な印象を残す。彼女たちの表情には羞恥と昂ぶりが同居し、排泄フェチならではの倒錯的魅力が露わになる。

行為の中心は、肛門から流れ落ちる一瞬を捉えることにある。男優の口元を目掛けて落下する糞便、肉体にこびりつく臭気とぬめり、そしてそれでも勃起を続ける男の肉欲——こうした心理的せめぎ合いが作品を支配する。レビューでも「リアルで良かった」との声が多く、過剰演出を避け、実際の反応や音までも拾った点がファンの評価を集めている。

レーベル・ジャネスは、アブノーマルな性愛記録にこだわることで知られ、フェチを真正面から捉える姿勢が一貫している。本作もその系譜に連なる一本であり、人工的な演出ではなく、身体と臭気、羞恥と欲望の生理的リアリズムで勝負する。スカトロジャンルの歴史の中でも、原点的で観念の純度が高い一作といえるだろう。